キリムギャラリー・デジャヴでは、シルクロードの拠点であるトルコのキリムを中心に、希少なオールドキリムにこだわってご紹介しております。
キリムとは、トルコ語で平織りを意味し、もともとは遊牧民がテントの中に敷いたり装飾したりする為のもので、
パイル織りの絨毯と比べ平織りのキリムは移動する彼らにとってコンパクトにたため、運搬に最適な生活必需品でした。
敷物以外にも穀物を入れる袋(チュワル)や、ロバや馬の背に乗せて使う運搬用のバッグ(ヘイベ)や、
ゆりかごまでもキリムで作っており、歴史は古く、紀元前6世紀頃と言われています。
キリムは遊牧民にとって実用品でありましたが、富の象徴でもあり貴重な財産のひとつでした。
その昔は、婚礼の際の持参金代わりにもなっていたそうです。
主に羊のウールで織られていますが、中にはヤギやラクダの毛を使ったキリム、
縦糸だけコットンを使ったキリムもあります。
冬季の終わる頃、放牧している羊の毛を刈り込み、とても簡単な道具を使って糸を紡いだのです。
インディゴの青、茜の根やコチニールの赤、たまねぎの皮やカモミールの花の黄色、オリーブの芽やピスタチオの葉などの緑・・・ 様々な色が植物などの天然染料で染められた草木染でしたが、100年位前からは化学染料も使われ始め、 全て又は一部が化学染料のキリムも少なくありません。
女の子はまだ指の細い10歳頃から母親にはた織りを習い始めます。
特にきちんとした図案などありませんが、永い歴史の中を母から娘へと受け継がれてきました。
代表的な織り方は日本の織物にも共通するつつれ織り、キリムならではのスリット織りがありますが、
刺繍のような「ジジム」や「スマック」という織り方のテクニックもあります。